体臭は汗や排泄物などの汚れが原因だと思いますか?
実際には、体臭に他の原因があります。
それは「病気」の可能性です!
体臭の原因となる病気の中には、特有の臭いを発するものがあります。
ここでは、体臭に関連する病気の特徴とその原因について説明します。
体臭で分けられる病気の種類
病気によって体臭の匂いが変わります。
体臭の特徴を代表的な7つに分けました。
- 脂くさい
- リンゴの腐ったような酸っぱいにおい
- 腐った卵のような硫黄のにおい
- 魚の生臭いにおい
- アンモニアのにおい
- 雑巾や排水溝のようなにおい
- 便のにおい
これらのにおいがあなたの体にでたら注意してください!
それぞれの体臭によって引き起こされる病気について説明します。
脂くさい
この体臭は「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」が原因である可能性があります。
脂漏性皮膚炎は、その名のとおり、皮脂による皮膚の炎症を引き起こす疾患です。
症状には、患部の皮膚の発赤、乾燥やかゆみ、ボロボロの皮膚などがあります。
原因はストレスや生活習慣の乱れなどにより皮脂の分泌が増加し、皮脂を食べる皮膚常在菌のひとつである「マラセチア菌」が繁殖するためです。
過剰増殖するマラセチア菌は皮脂を食べて分解し、「遊離脂肪酸」と呼ばれる皮膚の表面を保護する物質を大量に生成します。
これらの遊離脂肪酸は皮膚の炎症を引き起こすと考えられています。
皮脂の分泌が増加すると、脂漏性皮膚炎につながり、皮脂の脂臭が体臭を引き起こします。
リンゴの腐ったような酸っぱいにおい
甘酸っぱいとも言われるこの体臭は「糖尿病」の疑いがあります。
原因は、糖尿病の原因の一つが血中のインスリン不足であり、糖代謝が行われず、糖の代わりにケトン体がエネルギーとして生成されることです。
このケトン体は、血中の糖分からエネルギーが得られないときに脂肪を燃焼させ、汗の成分と混ざり、体臭から甘酸っぱいにおいがすることで臭います。
腐った卵のような硫黄のにおい
これは主に「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」などの消化器系疾患の疑いがあります。
においの原因は、病気によって胃腸機能が低下し、未消化物が発酵し、発酵物が体内に吸収されて硫黄のような体臭が発生するためです。
弱い胃は体臭を引き起こす可能性があり、過食または飲み過ぎの結果である可能性があります。
魚の生臭いにおい
これは「魚臭症」と呼ばれる病気が原因と考えられています。
人が食べ物を食べると、体内に「トリメチルアミン」と呼ばれる臭気物質が生成されます。
これは魚臭を放ちますが、通常は肝臓の酵素によって分解されるため、臭いは消えます。
しかし、何らかの理由で肝機能が低下すると、酵素分解がうまくいかず、体臭として現れることがあります。
また、肝臓分解酵素がほとんどまたはまったくない状態で生まれた人は、トリメチルアミンを分解できないため、魚臭症の可能性が高くなります。
アンモニアのにおい
この体臭は、「腎不全」などの腎臓関連の疾患である可能性があります。
原因は、腎機能が弱いと、血中の老廃物などの不要物を尿に排泄しにくくなり、体内に残留するためです。
アンモニア臭が体臭として出るまでに、病気が進行している可能性がありますので、体臭が出る前に変調の兆候を見逃さないように注意してください。
腎臓が不調をきたしている場合、変化するのは尿です。
尿の色と泡立ちに注意してください。
頻繁な排尿と体のむくみも腎臓の問題の兆候である可能性があります。
雑巾や排水溝のようなにおい
これは、「肝炎」などの疾患や肝臓の衰弱が原因である可能性があります。
肝臓は、アルコールなど体内のあらゆる悪いものを酵素で分解する機能がありますが、病気や肝機能の酷使などで機能が低下すると、分解できなかった体に悪いものが蓄積して流れ出します。汗をかいた場合、体臭として現れます。
肝臓が悪くなると、体臭だけでなく、疲労感、倦怠感、食欲不振などの体調も変化します。これらの変化を感じた場合は、病院にご相談ください。
便のにおい
これは「けいれん性便秘」の疑いがあります。
けいれん性便秘は、けいれんなどの腸の動きが活発になり、排便がうまくいかない便秘を引き起こすもので、女性よりも男性に多く見られます。
けいれん性便秘のために腸内に残っている便は、最終的に発酵し、体臭を引き起こす有害で悪臭のする物質を生成します。
このけいれん性便秘は、自律神経が乱され腸の動きが変化するため、ストレスや生活習慣の乱れも原因と考えられています。
まとめ
ポイント
以上のように、病気によって引き起こされる体臭は特徴的な臭気を持っています。
体臭の特徴を知ることは、病気の早期発見や早期治療につながる可能性があります。
上記のように体臭に変化を感じた場合は、体調に異常があると考え、病院にご相談ください。